DHAとEPAは合わせて毎日1,000mg摂ることが摂取目標です。
しかし比較的魚を多く食べる高齢の世代でも、平均的には600mg程度しか摂れていないのが現状であり、若い世代になればほとんどの人がDHA不足ということになります。
では、一体どれくらいの魚を食べればいいのかですが、本マグロのトロなら3~5切れ、ブリならぶつ切り半切れ、サンマなら中型のもので半身程度食べると1日1,000mgの目標量を達成することができます。
それほど多い量とは感じないかもしれませんが、これを毎日となるとなかなか達成してる人は少ないのではないでしょうか?
日常的に魚を食べているからといって安心できません。魚の種類や調理法などによってもDHAの摂取量は変わってしまいます。
DHAの摂取目安をクリアするために、もう少し詳しく見ていきましょう。
どんな魚をどれくらい食べれば目標量が達成できる?
魚の可食部分100gに含まれるDHAやEPAなど脂肪酸の量は、文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表脂肪酸成分表」で調査値が公表されています。
ただ、可食部100gと言われてもどれくらいの量かイメージできない人もいると思うので、一般的なスーパー(イトーヨーカドー)で販売されている魚を調査してみました。
スーパーで販売されているマグロの柵が120~160gです。本マグロのトロの場合、可食部分100gに4,600mgものDHA・EPAが含まれるので、1柵の4分の1程度食べれば目標量は賄えます。
しかし同じ本マグロでも赤身となると、可食部分100gに147mgしか含まれませんので、同じだけ摂ろうと思うと7柵くらいを一人で食べなければなりません。
ブリの場合ですが、スーパーではぶつ切りが1切れ60~80gで販売されていました。生では可食部分100gに2,640mgのDHA・EPAが含まれるので、おおむね1切れ食べれば目標量に達します。
ブリを皮ごと焼いて食べると、100g当たり2,900㎎と効率よく摂ることができます。
一般的には魚を生で食べるのが一番効率よくDHAやEPAが摂れるとされていますが、魚の皮や骨などにも多く含まれるので、調理によって多少減っても皮や骨を一緒に食べる方が効率がいい場合もあります。
中型のサンマ1尾が120~140gでした。サンマは生で2,590mg、焼いた場合で2,050㎎なので、だいたい半身を食べれば賄えます。
このように、魚の種類や調理法などでDHAやEPAの含有量はかなり違ってきます。ここでは比較的含有量の多いものを調べてたので、他の魚になればさらに量を摂らなければならなくなります。
毎日トロを購入するには経済的負担もありますし、毎日ブリを食べるのも飽きてしまいます。1食でそんなに多くの魚を、毎日は食べ続けられないという人も多いのではないでしょうか。
さらに、目標量を基準にお話ししてきましたが、これは最低限の基準でしかありません。
DHA・EPAの摂取目標量と目安量
DHA・EPAの1日の目標摂取量は1,000mgというのが通説になっています。これは、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準2010年度版」が根拠になっています。
しかし、この中で言われている目標摂取量は「最低限これくらいは毎日摂らないと、生活習慣病のリスクが高まる」という最低摂取量です。
この目標摂取量とは別に、目安量というのも設定されています。
目安量は年齢や性別によって違いがあります。
年齢等 | 男性目安量(mg) | 女性目安量(mg) |
---|---|---|
0~5(月) | 900 | 900 |
6~11(月) | 800 | 800 |
1~2(歳) | 700 | 800 |
3~5(歳) | 1,300 | 1,100 |
6~7(歳) | 1,400 | 1,300 |
8~9(歳) | 1,700 | 1,400 |
10~11(歳) | 1,700 | 1,500 |
12~14(歳) | 2,100 | 1,800 |
15~17 | 2,300 | 1,700 |
18~29 | 2,000 | 1,600 |
30~49(歳) | 2,100 | 1,600 |
50~69(歳) | 2,400 | 2,000 |
70 以上(歳) | 2,200 | 1,900 |
妊 婦 | – | 1,800 |
授乳婦 | – | 1,800 |
「日本人の食事摂取基準2015年度版」によると目安量は、「一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。 」とされています。
つまり目標量ではなく目安量を摂るようにしないと、DHA・EPA不足による何らかの影響も考えられるということです。
この表を見ると、3歳を過ぎれば既に1,000mg以上の摂取が必要で、18歳以上の成人男性は約2,000mg、成人女性で1,600㎎の摂取が必要ということになります。
前項でお話ししたように、1,000㎎という目標量でも多くの魚を摂る必要があります。しかし、目安量を基準にすると、さらに1.6~2倍もの魚を食べなければいけないことになります。
栄養バランスを考えると、魚だけ食べていれば良いというものではないので、毎日これだけの量のDHAやEPAを摂るのはなかなか難しい話です。
そこで活用したいのがDHA・EPAを配合したサプリメントです。
DHA・EPAを安定的に摂るにはサプリメントを活用する
DHAやEPAを安定的に摂るには、サプリメントを活用するのが有効です。
食生活を改善しDHA・EPAを必要量摂るに越したことはありませんが、現実的に食事から1,600~2,000㎎ものDHA・EPAを摂るのは至難とも言えます。
サプリメントであれば、調理による成分の変質や含有量の損失などを気にすることもなく、食事からの摂取量次第で不足を補うことが簡単にできます。
サプリメントに記載されている分量がそのまま摂れるので、毎日料理に頭を悩まされることもありません。
栄養バランスの面からも、無理に魚を食べることだけにこだわらず、サプリメントも活用することが、早急なDHA・EPA不足の解消につながります。